歩幅が狭い人は広い人に比べて
3倍も認知症のリスクが高いことがわかりました。
これは国立環境研究所の研究チームが1000人を
対象に4年、6509人を12年の追跡調査のデータ
からわかったことです。

今までも歩行と認知症の関係は
取り上げられてきました。

しかし、認知症のリスクになる要因が
歩幅(ストライド)なのか、歩調(ピッチ)なのか
は明確にわかっていませんでした。

この研究で、実は歩幅に関係があることが
明確になってきたのです。
また、歩幅が特定の脳の部位の大きさや血流の状態と
関係していることが報告されています。
つまり、歩幅が脳の状態を反映しているのです。
歩幅を広げれば脳と足の間の神経伝達が刺激され、
脳の活性化が期待できます。

また、歩幅を広げて新たな刺激を加えれば、
新たな神経回路を構築できる可能性は十分にあります。
とのことです。

★なぜ歩幅が狭いのか?

下記の記事によれば、65センチの歩幅があると
認知症のリスクが低下するとのことです。
身長による歩幅の平均値は0.45~0.5となるので、
身長140の方でも65cmは無理な歩幅ではありません。

歩幅を簡単に大きくしろと言われても、
「それができれば苦労はしない」
と思った方もおられるかもしれません。
その通りです。
では、なぜ歩幅が狭くなっているのでしょうか?

まず、歩くメカニズムを理解していただく必要があります。
簡単に解説すると、

人間が歩く時は、必ず片足立ちになっています。
地面を蹴って、足を前に出す瞬間から
地面に足をつくまでの間です。

その重心移動の時間を
片足立ちでバランスを取れなければ

“早く足を着かないと倒れてしまう。”
という転倒への恐怖から、
歩幅が大きくなる前に足を着いてしまうのです。

歩幅が大きくならない原因は、ここにあります。
※段差を登れない人も同じ理由です。

なので、踏み出す足(挙足)よりも
地面に着いている足(軸足)のトレーニングを
優先するべきなのです。

★筋力トレーニングだけでは意味がない。

軸足のトレーニングをすべきだと書きましたが
単なる筋力トレーニングだけでは、効果がありません。

軸足でバランスを取ったまま
いかに重心を移動して、関節を動かすか
そういった『身体の使い方』の
エクササイズも必要なのです。

また、使ってない関節を動くようにするための
関節周りの使ってない筋肉を活性化する運動も
などのストレッチも必要になってきます。

これも段階があるので、
信頼できるトレーナーに歩行する動きを
チェックしてもらうのが一番だと思います。

ただ筋力をつけて筋肉を大きくするのではなく
日常生活を楽に、健康に過ごすために
あなたに本当に必要なエクササイズを選択されてくださいね。

歩幅の測り方
https://www.hwy.or.jp/center/walking/hohaba.html

追伸

歩幅が狭い方は昔のブリキのロボットの歩行方法に似ています。
すり足に近い歩行方法です。(実際に足の裏には車輪がついてます。)

また、使ってない関節が多いです。

各部の関節を、ちゃんと使えるようになれば、
ホンダのアシモのような歩行が可能になります。
ブリキのロボットに比べればだいぶ滑らかです。
そもそも、アシモは人間の関節をモデルに制作されたロボットです。
関節がちゃんと動くようになれば滑らかに歩行できるのです。
アシモの歩幅は何センチかは不明です・・・。笑